主教就任受諾にあたって

 去る2019年11月4日に行われました日本聖公会中部教区主教選挙以降、この結果の意味は何かを祈りの内に誠実に聴かなければならないと黙想をしておりました。思いがけず、教区主教選挙にて、私のような足らない者を選んでいただき、戸惑うばかりであると同時に、私自身が、公会の聖職として召されていることの意味、また今日までに至る、私自身の信仰的歩み、現在、私に与えられているミッションの現場、そこでの働きと課題、中部教区の信徒、聖職のみなさんの思いを、いくら黙想しても、正直、分かりやすい解答を見出すには至りませんでした。
 現状において、私が立教学院・立教大学・聖公会神学院等で委ねていただいている、さまざまな働き、またそれらに伴うキリスト教学校教育同盟等でのミッションを、私が今、このタイミングで離れることは、現実的にきわめて難しく、また、立教も私自身にとってきわめて重要なミッションの現場でもあります。立教と聖公会のつながりは歴史的にも宣教的にも重要なものがあり、その中で、私が教授会メンバーとして、さまざまな架橋的働きを担うこと、立教学院、約2万人の学生・生徒・児童、また教職員に対して関わることは、ある意味、私に与えられた固有のミッションであるようにも思っています。
 そういう意味では、この度は、主教職を辞退せざるを得ないのかとも思う一方で、しかしながら、今回の中部教区主教選挙の結果と、その底にある中部教区のみなさんの思いには痛いほどに感謝の言葉しかなく、また、そもそも、司祭職に召された以上、主教職も神さまからの一方的な召しであり、それを断ることがいかに傲慢で、あり得ないこととも思います。1987年に、亡き野村潔司祭から、未だ仕事もろくにできない私を、名古屋学生センターの職員にとお声をかけていただいて以来、30年以上、中部教区は私にとって最も大切な故郷のような場であることは言うまでもありません。私自身が、主教職の大切さについて、さまざま語ってきたこともあります。
 このように逡巡する中で、中部教区のみなさまから、ある温かいご提案をいただくことになりました。立教の教授職や神学院での働きもデュアルミニストリーとして、現状通り、そのまま継続しながら、中部教区の主教職を担うという可能性です。具体的には、中部教区に教区主教が任命する「主教補佐」という職務を新たに設け、教区主教の働きを補佐する、ということが中心となるものです。もしそうしたサポートを得られるならば、私も、中部教区主教職をしっかりと担わせていただきたいと思い至るようになりました。
 その後、渋澤一郎中部教区主教、植松誠日本聖公会首座主教、土井宏純中部教区常置委員長ならびに同常置委員会、広田勝一立教学院院長、郭洋春立教大学総長、立教大学大学院キリスト教学研究科委員会、聖公会神学院教学会議等でもご確認いただき、その結果、私としましては、このお申し出に感謝して、中部教区には主教補佐職の設置をお願いし、立教等での働きも現状通り継続させていただきつつ、この度は、中部教区主教就任を謹んでお受けすることを決断させていただいた次第です。
 正式には後日、日本聖公会管区事務所から公示されることになっておりますが、主教按手式は、2020年3月28日(土)午前10時から、日本聖公会中部教区主教座聖堂(名古屋聖マタイ教会)において予定されています。どうぞ、お祈りの内にお覚えいただければ幸いです。

2019年12月12日 降臨節
司祭 アシジのフランシス 西原廉太